【通ってみた】アメリカの夜間学校

タイトル通り、僕は今アメリカの夜間学校に通っています。授業は、”Mandarin Chinese" − 中国語ですね。ここでのクラスメイトはホントいろいろな人がいるので、ちょっと紹介します。



短大の学生
お昼も同じ学校に通う彼らがやはり一番多いです。中国系の生徒が楽して単位を取ろうとしている場合が多いですね(笑)。日本人の留学生もいます。二十歳の学生が起業しようとしているので、一緒にBrain Stormしたりしています。学業が出来るタイプではないけど、応援したくなる性格してます。



現役社会人
僕の様にビジネスのために中国語を習得する人が第2勢力です。長期的な戦略で学ぶ人もいれば、つい先週中国に出張に行っていた人もいます。メーカー勤務の人は分かるのですが、軍役を終えて医学に進もうと考えている人もいる。興味本位なのか、それとも何か考えがあるのかは不明。



興味本位
60歳を超えている方もちらほら。趣味と興味本位の学習ですね。ガールフレンドが中国人で、ご両親が英語がしゃべれないからという猛者もいます。比較的少数派です。



中国系だが中国語を知らない
20台から50台まで、幅広くいます。中国系アメリカ人はこちらで育ちながら中国語を習得していない場合が結構多いので、成人してから身に着けたいと思う人が少なくないみたいです。



余談ですが、某メーカー勤務のクラスメイトに「ウチに応募しないか?ちょうど空きがあるんだ、名刺を渡すからResumeを送ってくれ」と言われました(笑)。こういう事があるとは知っていたのですが、いざ自分に起こってみるとビックリしました。

普段の自分の交友範囲とちょっと違う人達との出会いは面白いですね!

「アップルの株ってどうやって買うの?」

「アップルの株ってどうやって買うの?」

アップルファンの方に以前Twitterでこんな質問を受けました。そのときは「1株買っても損するからやめたほうがいいですよ」と答えたのだが、今日はちょっと説明を。


アップル株ですが、現在1株$348です。すでにこの時点で、アップル商品を買ったほうが安いです


「そんなの関係無い!どうしても欲しい!」という場合は、一体どうやったら株を買えるのかという話になります。当然ながら、アップルストアに株を売ってませんしね。



ここでは買えません。


ブローカー

株の取引をするには「ブローカー」を仲介する必要があります。伝統的には Merill Lynch や Morgan Stanley などの金融屋さんに口座を持っているとその口座で売買できます。ただし、ここで売買すると手数流が高いんですよね。


そんな訳で、人気が出てきたのがディスカウントブローカーです。経営体系をスリムにして、手数料を安くする目的で作られた会社です。サービスは劣りますが、よっぽど複雑な事をしないかぎり問題ありません。日本ではSBI証券が一例ですね。アメリカだと Etrade, Ameritrade, Scottrade, Charles Schwab あたりが有名です。


さてこれらのところで口座を作るわけですが、最低額は大体$500〜$1000くらいです。$500入金したらアップルが1株買えますね!



アップルの株券。ちなみに「ちょうだい!」と言わないと送ってくれません。ちょっぴりお金もかかります。


さあ購入しましょう。買うときと売るときには手数料が取られます。大体$10前後です。アップルを1株$350で購入すると、どうなるでしょうか。


$350に手数料の$10を払います。実質$10/$350で、3%弱ほどのロスです。売るときにも$10の手数料がかかりますから、合計で6%弱のロスが出ます。しかも最低$500口座に入れなければならないので、$140が凍結します。


つまり

1)$350払って、
2)$20手数料を取られて、買った瞬間に6%弱にロスが確定して、
3)更に$140が凍結します。


「株主になりたい!」というだけならまあ、買ってもいいんでしょうけど、この手数料の比率はあまり賢い選択とは言えませんよね。本当に投資目的で買うなら、数千ドル分は買ったほうがいいと思います。


実際はそのうち6%以上株価が上がるでしょうからここまでうるさく言う必要は無いんでしょうけど。



5年間のアップル株の価格変動。


ちょっと価格が変わっちゃいましたがご勘弁を

ブラウザ戦争

昨日ジムに行ったら、Rockmeltで働いている大学時代からの友人に数ヶ月ぶりに会った(ソーシャルネットワークに特化したブラウザ:NetScapeのファウンダー達が起業)。 彼との話の中で、ブラウザしか作ってない会社がどのように利益を出すのかを知ることができた。


ブラウザはユーザー一人につき、検索エンジン会社から年間50セントから1ドルの報酬を貰えるらしい。 彼いわく、全世界のウェブブラウザのマーケットサイズは約20億人ほど。 10%のマーケットシェアを取れば年間2億ドルの売り上げを出せる計算になる。 現在の各社のシェアは以下の通り。



(出典:http://en.wikipedia.org/wiki/Usage_share_of_web_browsers


こういう背景があるからこそマイクロソフトは中国などで自社OSの海賊版を取り締まることを止めたのだな、と納得できた。 海賊行為を止めるための出費より、勝手にIE6を使ってもらったほうが利益につながるんでしょうね。

JALの黒字化とアメリカ州政府の現状

JALが黒字化しました。


2010年初期に倒産してからのスピード復帰。GMも黒字化したけど、JALはそれ以上のスピードで回復しましたね。


ここで個人的に考えさせられるのは、以前のJALにはどれだけの無駄コストがあったのであろうかという事。スチュワーデスから機長まで、幅広い早期退職を促したJALですが、僕のリアクションは

「え?たったそれだけで黒字化したの?なんでもっと早くやらなかったの?」

という感じです。(一部の貴重な人材はリストラせずに給与カットの方が良かったとは思いますが)実際人を切った後でもオペレーションの質は以前と変わらない印象です。"Public Institution"はやはりコスト意識が非常に薄い事を思い知らされました。


僕は2010年4月に実に十数年ぶりにJALに乗ったのですが、その時は搭乗ゲートになんと10人もの従業員がいました。その内数人は搭乗客に「いってらっしゃいませ」とお辞儀をするだけの人も! その光景を見ながら、

「もう二度とJALには乗らない。こんな無責任な経営をする会社を支持したくはない。」
と強く思いました。いろいろと問題が指摘され始めているNHKや日本郵政の中身はどのように運営されているのか、考えずにはいられません。


米国にももちろん、似たような問題は存在します。最も目立つのは、この不景気の最中での公務員の給与の高さと年金や保険制度のコストの高さです。シリコンバレーの90年代バブル期に設定された「退職後も現役と同じ給料がもらえる年金制度」「死ぬまで本年と家族に健康保険を与える」は今でも変わらず、カリフォルニア州の財政を圧迫しています。サンフランシスコのゴミ収集職員が15万ドル(約1200万円)の給料をもらっているケースがあったり、市の職員が年金+再雇用でダブル年収をもらっていたりと、スキャンダルようやく明るみに出てきました。このままでは州政府が破綻するだろう、と多くの知識人が心配しており、大衆は失業率が10%近い時代にぬくぬくと生活している彼らに怒りをぶつけ始めています。元ハイテク起業家の僕のMentorは州政府の破綻を恐れ、持っていた州債を去年

全て売却しました


このWSJの記事は米国50州の予算を一覧できるのですが、軒並み赤字です!カリフォルニア州なんて、2011年度は1.4兆円の赤字です。


真っ赤ですね!


先週、Wisconsin州知事が公務員の反対を押しのけ、州の財政の修復に乗り出しました。少しでも多くの州政府が後に続く事を願っています。

書評:「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」

今日は、@HAL_Jさんの著書「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」に関して、僕の実経験を交えて話そうと思います。


僕が日本にいた頃、一時期友人達に英語を教えていた事がありました。僕は第一言語として英語を身に着けたので、第二言語としての英語の教え方がどうも分からなかったのですが、その間に日本の20代の方達がどのように英語と接しているかを知ることが出来ました。


HAL_Jさんは結構ハードルの高いことを提唱していると思います。けど逆に言えば、そのくらいする覚悟が無いと実用的な英語は身につけれないということではないでしょうか。


「なぜ英語を学ぶのか」の問いに明確な目的意識を持って答えれる人ならば、本書は大きなリソースになります。「自分の英語のこの弱点を補完したい」と思ったら、明確な取り組みを見つけることが出来ます。英会話学校に大金を払うよりよっぽどリターンが大きいと思います。しかし、「手っ取り早く英語を使いたい」と考える人には全く持って向かない本だと思います。


  1. 小・中学校時代に僕が実際使った手法
  2. 第二言語としての英語という考え方
  3. 「なぜ英語を学ぶのか」


小・中学校時代に僕が実際使った手法

この本の中に、「Phonics」、「語源」、「英語の文章の構造」という三つの学習のポイントが挙げられています。僕は文法・文章構成に強い私立校に通っていたのですが、今考えるとこれら三つは基礎の部分を造るためには必要不可欠でした。「Phonics」は発音の基礎、「語源」は単語の意味の基礎、そして「英語の文章の構造」は文章構成による意思疎通の基礎に当たります。学習のハードルは高いですが、リターンは大きいと思います。


まずPhonicsですが、幼稚園のころからチャートを使って毎日クラスみんなで音読していたのを覚えています。「KR」や「SL」、「CR」の発音をみっちりと叩き込まれ、小学6年の1年間は「Eigh」、「Ough」、「EI」、「OO」などの様々な複雑な子音(なのかな?)の種類と発音を毎週復習していました。この基礎があってこそ、新しい単語でも問題無く発音出来るのだなあと思わされます。


次に語源ですが、これは小学校4年生の頃から始まり、中学1・2年で本格化しました。学習法は基本的には語源と語源を用いる単語の暗記だったと思います。一般的な英単語の学習でもそうですが、丸暗記をしなければならないシチュエーションはやっぱり多いですね。当時の僕のノートが部屋にあったので、載せてみました。これのお陰で知らない単語でも文脈と語源から大体の意味が分かることが多いです。



中学2年のノート。字が汚いですね(笑)。


最後に文章構成ですが、HAL_Jさんの挙げているのは基本的な「5 Paragraph Essay」と呼ばれるもので、僕は小学校高学年の頃に学んだと思います。より柔軟な表現や文章の流れが欲しい場合はあえて使わない場合もありますが、正に文章構成の根源と言える考え方です。余談ですが、SAT、GRE、GMATといった試験の文章構成は「5 Paragraph Essay」が必須です(予備校でも教わります)。


第二言語としての英語という考え方

僕の経験では、日本の方はそれなりに英語が出来る人でも英語を使うことに非常に消極的だと感じました。知識はそれなりにあるのに、なぜこうも苦手意識を持つのだろうかと不思議に思ったものです。HAL_Jさんの言うように、彼らは「完璧な英語」を使おうとしていたのではないかと思います。完璧に話そうとして、その結果言葉が詰まり、フリーズしてしまう…そんな光景が浮かびます。


僕もHAL_Jさんと同じ意見で、英語で意思疎通を問題無く行えるレベルまで持っていく必要はあっても、完璧な英語を身につける必要は無いと思います。僕の身近での最たる例が僕の父です。僕の父は渡米してから30年余りの間、シリコンバレーのビジネスマンでした。それも日系企業ではなく、米国企業やベンチャーの中でです。そんな父ですが、未だに発音は70点程度ですし、細かい文法の間違いは多いです。英語が完璧でなくとも、個人としてのスキルと実績があればまともな欧米人は東洋人をリスペクトし、頼りにします。英語の表面的な部分は、根本的な知識、人脈、ネゴシエーション力などの力の妨げにさえならなければ問題無いわけです。


僕が大学生だったころ、学年でただ一人、帰国子女でも日系2世でもない生粋の日本人の留学生がいました。彼の英語は片言でとてもつたないものでしたが、笑顔と前向きな姿勢、そして誰よりも努力することで周りの信頼と尊敬を集めました。理系の学生、特に工学部では「いつも笑顔で、異常なくらい勉強している奴」として、彼の存在を知らない者はいないくらいでした。彼の素晴らしさは、表面的にたどたどしい英語くらいでは蓋は出来なかったわけです。



「なぜ英語を学ぶのか」

英語を学ぶ理由は様々です。最も大きなわけ方は、(1)実際に実用的に英語を使うため、と(2)試験のため、に分かれるのではないでしょうか。僕は日本の友人と英語学習について話すときは必ずこの「何のために」を重視します。昇格の必要条件だから英語を学習するのなら、その点数を取るための勉強に特化するべきですし、それ以上の勉強はその人にとって「時間の無駄」な訳です。理由がハッキリしているのならば、昇格のためだけに英語を勉強するのは別に悪いことでは無いと思います。


反面、「学会で他の参加者と意見交換するため」や、「赴任先で現地採用の人と円滑に仕事をしたい」などの理由の場合は実際に英語の「話す」「聞く」「書く」「読む」を全て行う必要があります。誤魔化しはその人自身の損失になるので、きちんと基礎から英語を築きあげる意義もあります。そのような方の場合はHAL_Jさんが説く学習法の数々を試してみる価値は多いにあると思います。


僕個人の意見としては、ここ最近の日本国内の行き詰まり感は日本人の選択肢の無さに起因していると思っています。この先の若い世代の方にとって、英語を負い目に感じずに世界へと足を向けれるようになることがこの現状を打破するための最重要課題の一つだと感じています。





英語を学ぼうとする人達にとって、ありきたりな「How To」ではなく、具体的な「What To Do」を緻密に説明してくれるこの本は貴重はリソースになると思います。

【税金】米国州政府間の競争

州政府には連邦政府には無い権限があり、それを通して企業や人を誘うことが出来る。そのうち最も分かり易いのが税金制度だ。その実例を幾つか紹介したい。


米国は連邦政府の所得税と法人税の上に州政府のそれが加算される(厳密には計算法は異なるが)。個人の視点から見ると、ニューヨークやカリフォルニア州は収入によっては10%近くも加算される反面、フロリダやネバダ、ワシントン州は税金がなんと0%だ。資産家は優先的にこのような州に移り住むことになる(実際フロリダは多くの人が引退後に移住するし、ジュピターアイランド区の家の平均価値は2億円を上回る)。ワシントン州の法人税0%はマイクロソフト社が本拠を構える大きな理由の一つとなっている。


このような直接的な税率以外にも、特定産業を優遇したり、資金援助することが可能になる。ウィスコンシン州は環境技術の会社の法人税を下げ、他にもインセンティブを与えている。デトロイトのあるミシガン州はなんと今は映画業界の会社を支援しているらしいし、テキサス州はラジオやテレビで「ビジネス・フレンドリー」な環境を宣伝している。


日本では近年、地方活性化がホットな話題になっているが、米国では州政府同士で活発な企業獲得のための競争が行われている。州政府、住人、そして企業自体も利益を得られる構造になっている。起業や人がわざわざ東京圏を離れたくなるようなインセンティブを提供できるようになれば、自然と現状は変わってくるかもしれない。

プロゴルファーに見る人材差別化の重要性

プロゴルファーが自己の差別化を通して市場価値を倍増させたというお話。


世界#1のゴルファーのタイガー・ウッズの広告塔としての収入は昔から約80億円ほど。しかしこの間に#2ゴルファーのフィル・ミケルソンの広告収入は倍増している。昔は彼の年収は20億ほどだったが、今では60億を上回っている。これには彼のウッズからの徹底的な差別化が寄与している。


ウッズに広告塔としてのイメージは、「#1」の他に「パーフェクト」、「冷静」、「栄光」などがある。基本的には当たり障りのないことを記者会見で言い、何人たりとも彼の内情を知ることは適ないオーラを漂わせていた。これに比べ、ミケルソンのイメージは「愛妻家で家族第一」、「スポーツファン」、「内面的に脆い」、「頻繁に失敗する天才」という、ウッズとは対照的なもの。記者会見での発言も自分の内面を表しており、2006年の全米オープン後には、「僕はなんて馬鹿だったんだ」という、ウッズから100%言わないようなコメントを残した。


この5年間で完璧なウッズとは逆に脆さと人間臭さをより強く出すようになった彼は、ウッズのイメージに好感を持たないできないオーディエンスを相手にするには理想の人物となった。単純なゴルファーとしての「性能」である勝利だけではここまでの商品価値は生み出せなかっただろう。




僕らは労働市場に並ぶ商品だ。製品を売る場合、「異なる」ものは「良い」ものよりも有利な場合が多い。ただ性能が高いだけの製品はより高い性能を持った製品と比べて何も利点が無いが、「ユニーク」な製品はたとえ一見性能が低くても、#1にはできないことが出来る場合がある。そこを買われるわけだ。


具体的にはこの理は僕らにどのように適用するのだろうか。一番重要なのは、僕らは日本人だということだ。米国に来た日本人が米国人の土壌で真っ向勝負を挑んでも勝ち目は薄いが、米国人のエリートと組んで日本やアジアを相手にビジネスを展開する立場になったらどうだろうか。日本人ならではの「違い」が価値になる。日本では英語が出来るだけで価値があるのと同等だと考えて貰ってもいい。


欧米の文化では、学生の頃から自分のキャリアを考えて行動する。自分の価値を高めるため、多くの人が持たないスキルセットを獲得するために勉強し、職を選ぶ。職が自分の商品価値を上げてくれない場合、多くのエリート達は次の職を探し始める。このような行動を続けない限り、次の世代に淘汰されてしまう。


僕には日本の企業がこのような従業員を真に求めているかどうかは分からない。雇い手がキャリアビジョンを持った従業員を望まないのでは、このような努力とモチベーションは無駄なのかもしれない。しかし、日本が世界へ更にもう一歩踏み出さなければ無く、日本に世界が踏み入ってきている時代、個人が自分自身の価値に責任を持ち、ユニークなバリューを企業に提示することはいずれ不可欠になると個人的には思う。





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