プロゴルファーに見る人材差別化の重要性

プロゴルファーが自己の差別化を通して市場価値を倍増させたというお話。


世界#1のゴルファーのタイガー・ウッズの広告塔としての収入は昔から約80億円ほど。しかしこの間に#2ゴルファーのフィル・ミケルソンの広告収入は倍増している。昔は彼の年収は20億ほどだったが、今では60億を上回っている。これには彼のウッズからの徹底的な差別化が寄与している。


ウッズに広告塔としてのイメージは、「#1」の他に「パーフェクト」、「冷静」、「栄光」などがある。基本的には当たり障りのないことを記者会見で言い、何人たりとも彼の内情を知ることは適ないオーラを漂わせていた。これに比べ、ミケルソンのイメージは「愛妻家で家族第一」、「スポーツファン」、「内面的に脆い」、「頻繁に失敗する天才」という、ウッズとは対照的なもの。記者会見での発言も自分の内面を表しており、2006年の全米オープン後には、「僕はなんて馬鹿だったんだ」という、ウッズから100%言わないようなコメントを残した。


この5年間で完璧なウッズとは逆に脆さと人間臭さをより強く出すようになった彼は、ウッズのイメージに好感を持たないできないオーディエンスを相手にするには理想の人物となった。単純なゴルファーとしての「性能」である勝利だけではここまでの商品価値は生み出せなかっただろう。




僕らは労働市場に並ぶ商品だ。製品を売る場合、「異なる」ものは「良い」ものよりも有利な場合が多い。ただ性能が高いだけの製品はより高い性能を持った製品と比べて何も利点が無いが、「ユニーク」な製品はたとえ一見性能が低くても、#1にはできないことが出来る場合がある。そこを買われるわけだ。


具体的にはこの理は僕らにどのように適用するのだろうか。一番重要なのは、僕らは日本人だということだ。米国に来た日本人が米国人の土壌で真っ向勝負を挑んでも勝ち目は薄いが、米国人のエリートと組んで日本やアジアを相手にビジネスを展開する立場になったらどうだろうか。日本人ならではの「違い」が価値になる。日本では英語が出来るだけで価値があるのと同等だと考えて貰ってもいい。


欧米の文化では、学生の頃から自分のキャリアを考えて行動する。自分の価値を高めるため、多くの人が持たないスキルセットを獲得するために勉強し、職を選ぶ。職が自分の商品価値を上げてくれない場合、多くのエリート達は次の職を探し始める。このような行動を続けない限り、次の世代に淘汰されてしまう。


僕には日本の企業がこのような従業員を真に求めているかどうかは分からない。雇い手がキャリアビジョンを持った従業員を望まないのでは、このような努力とモチベーションは無駄なのかもしれない。しかし、日本が世界へ更にもう一歩踏み出さなければ無く、日本に世界が踏み入ってきている時代、個人が自分自身の価値に責任を持ち、ユニークなバリューを企業に提示することはいずれ不可欠になると個人的には思う。





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