JALの黒字化とアメリカ州政府の現状

JALが黒字化しました。


2010年初期に倒産してからのスピード復帰。GMも黒字化したけど、JALはそれ以上のスピードで回復しましたね。


ここで個人的に考えさせられるのは、以前のJALにはどれだけの無駄コストがあったのであろうかという事。スチュワーデスから機長まで、幅広い早期退職を促したJALですが、僕のリアクションは

「え?たったそれだけで黒字化したの?なんでもっと早くやらなかったの?」

という感じです。(一部の貴重な人材はリストラせずに給与カットの方が良かったとは思いますが)実際人を切った後でもオペレーションの質は以前と変わらない印象です。"Public Institution"はやはりコスト意識が非常に薄い事を思い知らされました。


僕は2010年4月に実に十数年ぶりにJALに乗ったのですが、その時は搭乗ゲートになんと10人もの従業員がいました。その内数人は搭乗客に「いってらっしゃいませ」とお辞儀をするだけの人も! その光景を見ながら、

「もう二度とJALには乗らない。こんな無責任な経営をする会社を支持したくはない。」
と強く思いました。いろいろと問題が指摘され始めているNHKや日本郵政の中身はどのように運営されているのか、考えずにはいられません。


米国にももちろん、似たような問題は存在します。最も目立つのは、この不景気の最中での公務員の給与の高さと年金や保険制度のコストの高さです。シリコンバレーの90年代バブル期に設定された「退職後も現役と同じ給料がもらえる年金制度」「死ぬまで本年と家族に健康保険を与える」は今でも変わらず、カリフォルニア州の財政を圧迫しています。サンフランシスコのゴミ収集職員が15万ドル(約1200万円)の給料をもらっているケースがあったり、市の職員が年金+再雇用でダブル年収をもらっていたりと、スキャンダルようやく明るみに出てきました。このままでは州政府が破綻するだろう、と多くの知識人が心配しており、大衆は失業率が10%近い時代にぬくぬくと生活している彼らに怒りをぶつけ始めています。元ハイテク起業家の僕のMentorは州政府の破綻を恐れ、持っていた州債を去年

全て売却しました


このWSJの記事は米国50州の予算を一覧できるのですが、軒並み赤字です!カリフォルニア州なんて、2011年度は1.4兆円の赤字です。


真っ赤ですね!


先週、Wisconsin州知事が公務員の反対を押しのけ、州の財政の修復に乗り出しました。少しでも多くの州政府が後に続く事を願っています。