Linkedin株を買うのはナンセンス

Linkedinが先週株を公開しました。IPOってやつです。まるで90年代後半を思い出させるような怒涛の勢いで、二日間で株価は初日の倍以上に膨れ上がりました。


この時点でのLinkedinの時価総額は$10B(約8200億円)です。さて、この爆発的なパフォーマンスを見て、株を購入するべきでしょうか。


僕は絶対に買いません。


まず第一に、去年の収益を見てみましょう。一体いくらあったのでしょうか?100億円くらいはあったのでしょうか。。。


ここにLinkedinのIPOのProspectusがあります。(株公開での情報開示のようなものです)
http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1271024/000119312511016022/ds1.htm#rom122081_22


ページF4を見てみましょう。


2010年の税後の収益はなんとたったの10億円です。
(めんどくさいので1ドル100円で計算します)


「普通」の会社なら10億の収益だと時価総額は200億程度になります。Linkedinはその40倍の価値があると市場では見られているわけです。


Linkedinの2011年の第一四半期の収益は5億円でした。このペースで行けば2011年は年間収益は20億円になるかもしれませんね。年々の成長率100%です。すごいですね。


さて、一般的は安定企業のP/E(時価総額/年間収益)は大体20くらいです。Linkedinが毎年収益を倍にしていくと??4年後にはP/Eが今の時点での時価総額でようやく30になります。つまり今から全く株価が上昇しなくて、さらに4年間収益が倍々で伸びて、それでも一般的な企業よりもインフレしているわけです。(アップルのP/Eが現在16くらいです)


4年間奇跡的な伸びを見せても現在の株価は高すぎると考えられます。


しかし、そもそもそんな伸び率を達成できるのでしょうか。


Linkedinの収益の70%はプレミアム会員費です。30%は広告です。プレミアム会員は企業が社員を探したり、個人がある分野の専門家を探したりするのに活用されるそうです。


ちなみにLinkedInの現在のユーザー数は100M(1億人)です。Facebookha7億人です。4年間の倍々の伸びは2の四乗で、16倍です。ユーザー数の増加とプレミア会員の増加率を掛け合わせても、4年間で16倍になるでしょうか。なったとしても、4年間今の株価でLinkedinを所有し続ける意味などあるのでしょうか。


Linkedinが海外、得に東洋に進出するのは難しいでしょう。Facebookでさえ日本で苦戦している状況ですし、中国ではRenrenが既にFacebookに取って代わっています。


ここから先の数ヶ月ー数年の間でアマチュア個人投資家が火傷をしないことを祈るばかりです。


本来はグラフなどを用意したかったのですが、深夜なので寝ます ^^;;